1本ピンと2本ピンの違い☆


ばね製作における「1本ピン」と「2本ピン」の違いは、

コイリングマシン(ばねを巻く機械)のピンの本数に起因し、主に成形精度やばね形状、

対応可能なばねタイプの幅に関係します。以下にそれぞれの特徴と違いを説明します。

~1本ピン~


■ 1本ピン方式(シングルピン方式)

【構造】

  • ワイヤーを1本の成形ピン(コイリングピン)でガイドして巻く方式

【特徴】

  • 構造がシンプルでメンテナンスも容易

  • ワイヤーがピン1本でしか支持されないため、ばねの巻き始めや巻き終わりにばらつきが出やすい

  • 薄板ばねや高張力材、線径のばらつきに弱く、形状精度がやや低くなる傾向あり

  • 主に小ロット低精度でも問題ない用途に使用される

【メリット】

  • 機械が比較的安価

  • セットアップ時間が短い

【デメリット】

 

  • 安定した外径・ピッチのばねを巻くのが難しい

  • 高精度なばねには不向き

~2本ピン~


■ 2本ピン方式(ダブルピン方式)

【構造】

  • 2本の成形ピンでワイヤーを挟み込むようにしてガイドし、ばねを巻いていく方式

【特徴】

  • ワイヤーがより安定して支持されるため、巻き始めから終わりまで精度が高い

  • 線径のばらつき、材料の硬さ、テンションの変動にも強い対応力

  • 外径・ピッチ・端面の整形精度が高く、高性能スプリング製造に適する

  • 大量生産や自動車部品、精密機器のばねに多用される

【メリット】

  • 安定した量産品質

  • 複雑形状や高難度材質の対応も可能

【デメリット】

 

  • 機械構造が複雑でコストが高い

  • セットアップや調整に時間がかかる


■まとめ比較表

項目 1本ピン 2本ピン
成形精度 △ やや低い ◎ 高い
ワイヤーの安定性 △ 不安定 ◎ 安定
対応ばね種類 △ 限定的 ◎ 幅広い
機械コスト ◎ 安い △ 高い
主な用途 小ロット、簡易形状 精密ばね、量産品

 

 


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