ばね製作における「1本ピン」と「2本ピン」の違いは、
コイリングマシン(ばねを巻く機械)のピンの本数に起因し、主に成形精度やばね形状、
対応可能なばねタイプの幅に関係します。以下にそれぞれの特徴と違いを説明します。
ワイヤーを1本の成形ピン(コイリングピン)でガイドして巻く方式
構造がシンプルでメンテナンスも容易
ワイヤーがピン1本でしか支持されないため、ばねの巻き始めや巻き終わりにばらつきが出やすい
薄板ばねや高張力材、線径のばらつきに弱く、形状精度がやや低くなる傾向あり
主に小ロットや低精度でも問題ない用途に使用される
機械が比較的安価
セットアップ時間が短い
安定した外径・ピッチのばねを巻くのが難しい
高精度なばねには不向き
2本の成形ピンでワイヤーを挟み込むようにしてガイドし、ばねを巻いていく方式
ワイヤーがより安定して支持されるため、巻き始めから終わりまで精度が高い
線径のばらつき、材料の硬さ、テンションの変動にも強い対応力
外径・ピッチ・端面の整形精度が高く、高性能スプリング製造に適する
大量生産や自動車部品、精密機器のばねに多用される
安定した量産品質
複雑形状や高難度材質の対応も可能
機械構造が複雑でコストが高い
セットアップや調整に時間がかかる
項目 | 1本ピン | 2本ピン |
---|---|---|
成形精度 | △ やや低い | ◎ 高い |
ワイヤーの安定性 | △ 不安定 | ◎ 安定 |
対応ばね種類 | △ 限定的 | ◎ 幅広い |
機械コスト | ◎ 安い | △ 高い |
主な用途 | 小ロット、簡易形状 | 精密ばね、量産品 |
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